霧の狐道179
看護婦さんが走り去ると辺りは一旦静かになった。
耳を澄ます俺に鞠の音がまた聞こえ始めた。
“ えっ!?”
鞠の音が、再度、鳴り始めたのだ。
“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”
そして、鞠の音が遠ざかって行く。
“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”
俺は音が消えてしまうまで病室の扉を眺めていた。
音が消えると山本爺が布団から顔を出して言った。
「 連れて行った・・・・。」
「 えっ、連れて行った・・・・?
何を・・・?」
田中爺は、まだ、いびきをかいている。
“ ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。”
山本爺がボソッと言った。
「 おまえ、連れて来るな・・・。」
「 えっ、何?」
「 変なの・・。」
俺は、ようやく理解した。
「 あ、あの女の子、俺が連れて来た・・。」
「 バカ。」
「 そ、そうか・・・・。
でも・・・・・。
あっ、ちょっと待って・・・・。」
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耳を澄ます俺に鞠の音がまた聞こえ始めた。
“ えっ!?”
鞠の音が、再度、鳴り始めたのだ。
“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”
そして、鞠の音が遠ざかって行く。
“ てんてんてん、てんてんてん、てんてんてん・・・・・・。”
俺は音が消えてしまうまで病室の扉を眺めていた。
音が消えると山本爺が布団から顔を出して言った。
「 連れて行った・・・・。」
「 えっ、連れて行った・・・・?
何を・・・?」
田中爺は、まだ、いびきをかいている。
“ ぐごごごごごごぉ~、ぐごごごごごごぉ~。”
山本爺がボソッと言った。
「 おまえ、連れて来るな・・・。」
「 えっ、何?」
「 変なの・・。」
俺は、ようやく理解した。
「 あ、あの女の子、俺が連れて来た・・。」
「 バカ。」
「 そ、そうか・・・・。
でも・・・・・。
あっ、ちょっと待って・・・・。」
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