霧の狐道116
俺は現場である足元を見てから、爺さんに尋ねた。
「 いつ頃?」
「 最近じゃな。
それで、ここで声がしたので、またかって思ったんじゃ。」
「 行き倒れ・・。」
「 そう、行き倒れ。」
「 あの~、それって生きてた・・・?」
「 ああ、生きてたと思うたんじゃ。
声がな、聞こえた。」
「 声?」
「 うつ伏せに倒れてたんじゃがな。
女の子のような声でな。
おじ~ちゃんってな。」
「 女の子・・・・?」
「 いや、男じゃ。
男の声にしては変じゃなとは思たんじゃが、ま、声がしたら一応生きと
るじゃろ。
じゃから、うつ伏せのまま、婆さんと二人でトラックの荷台に乗せたん
じゃ。
「 顔は見た?」
「 いや~、顔は見てないがのォ~。
そりゃ、顔見たら気持ち悪いがな。」
「 で、助かった?」
「 いや、ダメ。」
「 ダメ?」
「 病院に着いたときは、もう、死んどった。」
「 ええっ!」
「 病院で看護婦がそいつを運んで行くとき、チラッと顔見たけど、凄い
形相だったがの。」
「 ゲゲッ!」
「 首なんかとれそうで、ブランブランしとった。」
「 とれそうな生首・・・。」
「 いいや、とれてはおらん。
とれそうなちゅう感じじゃよ。」
「 生首、生首、生首、とれそう・・・・・。」
俺は、橋の上で転がって来た女の子の鞠が、一瞬生首に見えたことを思い出した。
「 何を考えてるんじゃ?」
「 生首、生首、コロコロ・・・・。」
「 アハハハハ、おまえ、気持ち悪がっておるな。
じゃ、もうちょっと続きを話してやろうかのォ~。」
☆HOMEページに戻る。
HOMEページ
「 いつ頃?」
「 最近じゃな。
それで、ここで声がしたので、またかって思ったんじゃ。」
「 行き倒れ・・。」
「 そう、行き倒れ。」
「 あの~、それって生きてた・・・?」
「 ああ、生きてたと思うたんじゃ。
声がな、聞こえた。」
「 声?」
「 うつ伏せに倒れてたんじゃがな。
女の子のような声でな。
おじ~ちゃんってな。」
「 女の子・・・・?」
「 いや、男じゃ。
男の声にしては変じゃなとは思たんじゃが、ま、声がしたら一応生きと
るじゃろ。
じゃから、うつ伏せのまま、婆さんと二人でトラックの荷台に乗せたん
じゃ。
「 顔は見た?」
「 いや~、顔は見てないがのォ~。
そりゃ、顔見たら気持ち悪いがな。」
「 で、助かった?」
「 いや、ダメ。」
「 ダメ?」
「 病院に着いたときは、もう、死んどった。」
「 ええっ!」
「 病院で看護婦がそいつを運んで行くとき、チラッと顔見たけど、凄い
形相だったがの。」
「 ゲゲッ!」
「 首なんかとれそうで、ブランブランしとった。」
「 とれそうな生首・・・。」
「 いいや、とれてはおらん。
とれそうなちゅう感じじゃよ。」
「 生首、生首、生首、とれそう・・・・・。」
俺は、橋の上で転がって来た女の子の鞠が、一瞬生首に見えたことを思い出した。
「 何を考えてるんじゃ?」
「 生首、生首、コロコロ・・・・。」
「 アハハハハ、おまえ、気持ち悪がっておるな。
じゃ、もうちょっと続きを話してやろうかのォ~。」
☆HOMEページに戻る。
HOMEページ