霧の狐道246

ghanayama
 看護婦さんがトイレの外から言った。

「 もう、出た?」

俺は、一応、形をつけた。

「 あ、いっぱい出た。」
「 じゃ、病室に帰って、寝るのよ。」
「 うん・・・。」

俺はごそごそとトイレから出る。
看護婦さんが車椅子の後ろに回り込みながら言った。

「 消灯後は、ウロウロしないの!」
「 うん・・・。」
「 返事は、ハイよ。」
「 あ、ハイ。」
「 よろしい。」

その後、俺は車椅子ごと病室に放り込まれ、ベッドに入った。
 看護婦さんが出て行っても、俺は眠らなかった。
龍平が帰って来ると思ったからだ。
でも、いつまで経っても龍平は戻って来なかった。
俺は龍平を心配しながらも徐々に眠くなって、そのまま寝てしまった。




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