霧の狐道256

ghanayama
 龍平が、来なかったことを気にしていると思ったので俺は言った。

「 昨日、状況を聞いても、どうしていいか思いつかないし・・・・。
 だから、仕方ないし、後はお互い寝るだけだよ。
  それに、山本爺、朝、ちゃんと自分のベッドにいただろ。
 山本爺、大丈夫だったんだよ。
 いつもと変わんないよ。
 まあ、微熱が朝ちょっとあったみたいだけど・・・。
  でも、今のとこは大丈夫だって。
 あ、それから・・・・。」

俺は自分のお守りをパジャマのポケットから引っ張り出した。

「 俺のお守り、貸してやれば良かったと思いついたけど・・・・。
 龍平、行ってしまった後だったから渡せなかった。」
「 ああ、そうか・・・。
 ・・・うん、そやな。
 これはこれで、効き目があったと思うで。
 良かったな貴志、吉沢さんに貰ったお守りが役に立って。
 あの女の子、誤魔化しながらも、わいらのベッドに近付いて来なかっ
 たやん。」
「 そう、近付いて来なかったよな・・・・・。」

俺は龍平の言葉に違和感を覚えながら答えた。

“ 俺は龍平に由紀ちゃんとは言ったが、吉沢とは一度も言ったこと無か
 ったと思うけど・・・・。”




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