日々の恐怖 9月1日 オッサンの家(5)
日々の恐怖 9月1日 オッサンの家(5)
ある日、オッサンが納骨も終わって落ち着いたぐらいに、
「 今夜は帰らん。」
と言ってどっかに行った。
兄が夜1時過ぎにトイレに行ったら、オッサンが血相変えて帰ってきて、仏間に飛び込んで念仏みたいのを唱えてた。
それで、また母親が出たんだなと理解したそうだ。
さらに、兄が中学に上がる頃から異音が鳴るようになり、赤ちゃんの鳴き声がするようになった。
家の中でしか寝れないし、原因不明の物音と赤ちゃんの泣き声にいたたまれなくなったオッサンは、霊能者にすがりまくったらしい。
兄は、
「 ガキだったから分からないけど、親父は凄い大金使ったと思う。
効果が無ければ霊能者に電話でがなりたて、また新しい霊能者を探す。
そんなのが1年間ぐらい続いたよ。」
と言った。
ちなみに、兄はその頃から非行に走って家にあんまり帰ってなかったそうだ。
そんなこんなでなんとか霊媒師を見つけ鎮める方法を教わり、今に至るらしい。
そしてオッサンは仏間から離れるように寝所を増築して、少しでも仏間から距離を取ろうとした結果、歪な増築を繰り返した家になった。
「 じゃあ供養されたんじゃないの?
まだ聞こえてるよ。」
と聞くと、
「 お祓いしてからかなり時間が経ったから、効果が無くなったじゃね?」
と無表情で兄は答えた。
「 とにかく、こんな家に関わった以上、長くいるとオマエまでなんかあるかも知れないから、高校でたらこの家を離れろ。
大学でも就職でも良いから家を出ろ。」
と言われた。
最後に、
「 弟と妹にこの話をするかどうかはお前に任せる。
まだ2人とも子供だから慎重に時期を見計らって話せよ。」
と言って、再び鍵をかけた。
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