日々の恐怖 8月18日 丸い石(2)

ghanayama






  日々の恐怖 8月18日 丸い石(2)






 それで月日は流れて、ついこの間のことだった。
中学の同窓会があって、Yと話す機会があった。
そこで、ふと思い出して山でのことを聞いて見た。
 そしたらYは渋い顔をして、

「 あったあった。
お前ら笑顔であんなことするから怖かった。」

とか言った。

「 あんなことってなんだ?
ただ丸い石拾ってきただけだろ?」

とYに言うと、しばらくびっくりした顔をした後、笑い出した。

「 なんだ、石拾ったつもりだったのか。
アレ、小さいお地蔵さんの頭だったぞ。
チャリのかご一杯に入れてたから、てっきりお前らが壊して持ってきたんだと思って滅茶苦茶怖かったわ。」

 あの時のYは怒ってたんじゃなくて、ビビってたんだそうだ。
たまたま顔を合わせなかったからお互い気づいてなかったんだが、山のふもとはYの夕方の散歩ルートで、俺たちの遊び場のすぐ近くだった。
 普段人も見かけない散歩道に、自転車のかご一杯に地蔵の頭を詰め込んで、笑顔で話しかけて来るクラスメイトがいる。
そんなのビビるに決まっている。
 Yは、

「 お地蔵さんの顔もさ、普通は笑顔だったり目を閉じて優しい顔だったりするじゃん?
お前らが拾ってきたヤツ、半分目を開けてこっちを睨んでるみたいな顔でさ、ホント怖かったわ。」

そんな話をしていた所で、その日の同窓会はお開きになった。
 そのとき俺たちは、

“ 俺たちは、石を1つずつしか拾ってない。
また、石をかご一杯になんて入れてなかった。
それに、何度思い返しても、石はツルツルで地蔵の顔なんて無かったように思う。”

とは、Yの眼の前では言い難かった。












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