日々の恐怖 3月1日 重量オーバー
日々の恐怖 3月1日 重量オーバー
あるデパートでエレベーターに乗った。
かなり多くの人が乗り込み、ほとんど満員になった。
もうあと2名乗れるかどうかだった。
と、そこへ小柄な女性が乗り込んだ。
とたんに重量オーバーのブサーが鳴った。
ちょっと違和感を感じた。
この人が乗って重量オーバーになるだろうか?
「 あ、すいません。」
そう言った後、彼女は後ろを向き、誰もいない空間にささやいた。
「 後のにしてちょうだい。」
とたんにブザーが鳴りやんだ。
異様なものを感じ、その場で固まってしまった。
エレベーター内に言いようのない雰囲気が満ちた。
「 つきまとわれているんです。
でも大丈夫、悪い人じゃないから・・・・。」
彼女は、階表示のパネルに目をすえたまま、誰に言うともなくつぶやいた。
彼女には二度と会わなかったし、その後を知りたいとも思わない。
ただ今でも疑問なのだが、そういったものに重さってあるものなのだろうか?
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ